わたせせいぞう体験

きょうの帰り道、わたせせいぞうの漫画に出てくるような女性を見た。サックスブルーのワンピースに麦わら帽子をかぶっていた。帽子には黄色い花が咲いていた。まるで「ハートカクテル」の回想シーンのような雰囲気で思わず見とれてしまった。大学のすぐそばの農道の出来事なのだけど、なんだか幸せな気分になれた。いったいだれだったのだろう、大学生のような気もする。ほんとうに久しぶりのわたせせいぞう体験で、おもわず電柱に車をぶつけそうになった。それぐらいに目を奪われてしまったのだ。

私はこんな瞬間を「わたせせいぞう体験」と呼んでいる。わたせせいぞうの漫画のワンシーンのような光景を見ると、それだけで私はとても幸福になれるのだ。本屋で「ぴあ」の表紙を見るたびに、実際にこんなことがないものだろうかと思っている。そういうわけで、岐阜にもわたせせいぞうがいるのだと知るとうれしくなってしまうのだ。

こういう光景は探しに行ってしまっては面白くないのだと思う。全く忘れてしまって、そんなことを気にもしていないときにはじめて、わたせせいぞうの世界に引き込まれる瞬間がやってくるのだ。またそんなわたせ体験をしたら報告したいと思う。

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